事業承継で遺留分に関する問題が発生した時に利用できる「遺留分に関する民法の特例」(以下「民法特例」といいます)

実際に利用するには、どのような要件を満たす必要があるのでしょうか。

以下にまとめましたので、確認していきましょう。

①会社の要件

・中小企業者であること。
中小企業者とは資本金の額または出資金の額が1億円以下であり、資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人のことを指します。
ただし、大規模法人※に発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を所有されている法人、および2以上の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を所有されている法人は除きます。

※資本金の額もしくは出資金の額が1億円を超える法人または資本や出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人。ただし中小企業投資育成株式会社(投資育成制度という法律に基づき、経済産業大臣が監督し、地方公共団体や金融機関により出資を受けている機関)は除きます。

・合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場企業であること。

② 現経営者の要件

・過去または合意時点において会社の代表者の方であること。
(※現経営者の方は法律上「旧代表者」とされています。)

③ 後継者の要件

・合意時点において会社の代表者の方であること。
・現経営者の方からの贈与等により株式を取得したことにより、会社の議決権の過半数を保有していること。
ここでの後継者は推定相続人以外の方も対象となります。(平成28年4月1日以降に合意した場合のみ)。

また民法特例を利用するためには、現経営者の推定相続人の方全員(遺留分を有する方に限る)と後継者の方で合意をし、合意書を作成することが必要です。

以上が民法特例を利用するための要件になります。

では要件を満たせば、すぐに民法特例の効力が発生するのでしょうか。

答えは「NO」です。

 

民法特例の効力を発生させるためには、以下の1~4の手順をふむ必要があります。

1.現経営者の方の推定相続人全員(遺留分を有する方に限る)と後継者の方で合意をする。
2.合意をした日から1ヶ月以内に「遺留分に関する民法の特例に係る確認申請書」に必要書類を添付して経済産業大臣に申請し、確認書及び確認証明書の交付を受ける。
必要書類に関しましては、「遺留分に関する民法の特例 経済産業大臣の確認について」で説明していますのでご確認ください。
3.経済産業大臣から確認を受けた日から1ヶ月以内に、家庭裁判所に申立てをし「許可」を受けます。
申立ては申立書に必要書類を添付して行う必要があります。
必要書類に関しましては、「遺留分に関する民法の特例 家庭裁判所の許可について」で説明していますのでご確認ください。

 

4.民法特例の効力発生

作成するのに労力を要する合意書、機関に提出する申請書に関しましては当事務所で作成いたしますのでご安心ください。

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