経営承継円滑化法に規定されている金融支援を受ける為には、都道府県知事から認定を受けることが必要です。

では認定を受ける為にはどのような要件を満たす必要があるのでしょうか。

 

要件は認定を受ける方が会社、個人事業主、事業を営んでいない個人なのかによって違いがあります。

ここでは認定を受ける方が会社の場合について説明させていただきます。

まず都道府県知事の認定を受ける為には、上場会社等以外の中小企業者である事が必要です。

中小企業者とは資本金の額または出資金の額が1億円以下であり、資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人のことを指します。
ただし、大規模法人※に発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を所有されている法人、および2以上の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を所有されている法人は除きます。

※資本金の額もしくは出資金の額が1億円を超える法人または資本や出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人。ただし中小企業投資育成株式会社(投資育成制度という法律に基づき、経済産業大臣が監督し、地方公共団体や金融機関により出資を受けている機関)は除きます。

その他の具体的な要件を以下にまとめましたので、確認していきましょう。

後継者の方が既に代表者に就任している会社の場合
後継者の方が既に代表者に就任している会社の場合には、経営の承継が少なくとも一部は行われている状態が必要になります。
その他の具体的な要件は以下の通りです。
1.中小企業者またはその代表者の方が、自身以外の方が有する中小企業者の株式等(株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除きます)または持分や事業用資産等を取得する必要があること。
・先代経営者の方が死亡したことによる、相続に伴い後継者以外の相続人の方に株式等や事業用資産が分散した場合
・先代経営者の方が死亡または退任したことにより、先代経営者と友好的であった方が株式等や事業用資産の売却を希望している場合
・社内の役員や従業員組織の方などが事業を承継する場合に、先代経営者の方から株式等や事業用資産などを譲り受けるといった事態が生じた場合
・会社が貸付金の弁済や未払だった給与の支払を急遽求められた場合

以上のような場合で、後継者(代表者)の方が資金を必要としていることが要件になります。
2.中小企業者の代表者の方が、相続や遺贈(贈与をした方の死亡により効力を生ずる贈与を含みます)または贈与(遺贈に含まれる贈与を除きます)により取得した、中小企業者の株式等、事業用資産等にかかる多額の相続税または贈与税を納付することが見込まれること。

 

3.中小企業者の代表者の方(代表者であった者を含みます)が死亡または退任した後の 3ヶ月間における中小企業者の売上高または販売数量(以下「売上高等」)が、前年同期の 3ヶ月間における売上高等の100分の80以下に減少する可能性が高いこと。
経営者の方の交代により取引先からの信用力が低下することも考えられます。
具体的な基準として、前年同期の3ヶ月間と比較して、同期中の売上高等が 80%以下に落ち込むことが見込まれることとしています。

 

4.仕入先(中小企業者の仕入額の総額に占める仕入先からの仕入額の割合が100分の20以上である場合における、仕入先)からの仕入れにかかる取引条件について、中小企業者の不利益となる設定または変更が行われたこと。
経営者の方の交代により、仕入先から不利益となる取引条件を設定されることも想定されます。
具体的には、申請者の方の仕入額の総額の20%以上の仕入額を占める仕入先から、支払サイトを短縮されるなどの取引条件変更をされた場合などが該当します。

 

5.取引先金融機関(中小企業者の借入金額の総額に占める取引先金融機関からの借入金額の割合が100分の20以上である場合における取引先金融機関)からの借入れにかかる返済方法、その他の借入条件の悪化、借入金額の減少または与信取引※の拒絶、その他の取引先金融機関との取引にかかる支障が生じたこと。

※取引先に信用を供与することで、商品や製品を納品した後、またはサービスを提供した後に代金を受領する取引のこと。

経営者の交代により取引先金融機関からの信用力が低下したため、取引先金融機関からの借入れが困難になる場合もあります。
具体的には、申請者の借入金額の総額の 20%以上の借入金額を占める取引先金融機関からの借入れにおいて、返済期間の短縮、貸付金利の上昇、借入金額の減少や与信取引の拒絶などをされるなど取引に支障が生じている場合です。

 

6.先代経営者の方の相続に関して、後継者の方を含む相続人間で、以下のいずれかを内容とする①判決の確定、②裁判上または裁判外の和解、③審判の確定、④調停の成立があった場合。
・先代経営者の方からの相続にあたって、遺産に株式等や事業用資産等が含まれる場合に、後継者の方がこれらの資産を取得するために、非後継者の方にその代償として金銭を支払うこと。
・先代経営者の方からの相続にあたって、株式等や事業用資産等を相続や遺贈または贈与により取得したことによって、非後継者の方の遺留分を侵害してしまい、遺留分減殺請求を受けた場合に、非後継者の方にこれらの資産を返還する代わりに金銭を支払うこと。

 

7.1~6の他、中小企業者の事業活動の継続に支障を生じさせること。

 

他の中小企業者から事業の経営を承継する会社の場合
会社である中小企業者が、他の中小企業者を買収して承継しようとする場合については、大きく分けて、承継される中小企業者(相手方)に関する要件と、資産の承継に関する要件があります。
1.承継される中小企業者(相手方)に関する要件
・中小企業者の役員または親族の中に、後継者候補となる方がいないこと
・中小企業者における経営者の方が、その健康状態、年齢その他の事情により、継続的かつ安定的に経営を行うことが困難であること

 

2.資産の承継に関する要件
経営の承継に不可欠な資産を承継する見込みであることが必要になります。
「経営の承継に不可欠な資産」とは以下のような資産をいいます。
・承継する際に取得する承継される中小企業者の株式※1
・事業譲渡を受けて承継する場合の、承継される中小企業の事業資産※2等
※1ここでは承継される中小企業者の議決権の過半数を超える議決権を保有することになる数の株式のことをいいます。
※2工場用の土地や建物といった不動産、機械などの動産のことをいいます。

以上が金融支援に関する、都道府県知事の認定要件(会社編)です。

認定を受けるには、一定の要件を満たす事が必要になります。

内容をしっかり確認して、金融支援を活用していきましょう。