経営承継円滑化法で、定められている金融支援は大きく分けて「中小企業信用保険法の特例」と「株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例」の2つがあります。ではこの2つの特例、どのような効果があり、またどのような場面で適用されるのでしょうか。

ここでは「株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例」について説明させていただきます。

「中小企業信用保険法の特例」については「事業承継における金融支援「中小企業信用保険法の特例」を活用した資金調達みついて」で説明していますのでご確認ください。

株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例
認定を受けた中小企業者(会社)の代表者の方や、認定を受けた個人の方が必要とする資金であって、かつ中小企業者の事業活動の継続に必要な資金であれば、株式会社日本政策金融公庫および沖縄振興開発金融公庫から融資を受けることができるというものです。

また金利についても通常の金利(基準金利)ではなく、特別に低い利率が適用されます。

特例が適用されるのは、中小企業者である会社の代表者の方、または他の中小企業者の事業を承継しようとする個人の方が資金を借り入れるときで、具体的には以下の資金等が想定されています。

 

  • 承継後の代表者の方の場合
① 中小企業者等の代表者の方が、相続により承継した債務の内、事業用資産等を担保とする借入れに関する弁済資金

先代経営者の方が会社に資金投入することを目的として、個人資産(土地や建物)を担保として借入れを行っており、その個人資産が事業の用に供されている場合もあります。
この場合、後継者の方が相続した借入れに関する債務の返済が滞ると、担保設定されている事業用資産等が差し押さえられ、その後の事業活動の継続に支障が生じてしまいます。

そこで、このような借入れに関する債務の弁済資金に対応する為、株式会社日本政策金融公庫等の融資の対象としています。

② 中小企業者等の代表者の方(代表者であった者を含む。)の死亡または退任をきっかけとした、経営の承継に伴い、中小企業者等以外の方が有する株式等または事業用資産等を、取得する為の資金

後継者の方が株式等や事業用資産等を買い取る場合(第三者の会社に対する貸付金や未収金を弁済する場合も含みます)に必要となる資金です。
なお、この資金には、後継者の方が会社の役員や従業員であり、事業承継をする際の株式等や事業用資産等の買取資金も含まれます。

③ 先代経営者の方の相続に関して、後継者の方を含む相続人間で、以下のいずれかを内容とする判決の確定、裁判上または裁判外の和解、審判の確定、調停の成立により、後継者の方が負担した債務を支払う為の資金。

・先代経営者の方からの相続にあたって、遺産に株式等や事業用資産等が含まれる場合に、後継者の方がこれらの資産を取得するために、非後継者の方にその代償として金銭を支払うこと。

・先代経営者の方からの相続にあたって、株式等や事業用資産等を相続や遺贈または贈与により取得したことによって、非後継者の方の遺留分を侵害してしまい、遺留分減殺請求を受けた場合に、非後継者の方にこれらの資産を返還する代わりに金銭を支払うこと。

④ 中小企業者等の代表者の方(代表者であった者を含む。)の死亡または退任をきっかけとして、経営を承継した代表者の方が、相続若しくは遺贈または贈与により取得した中小企業者等の株式、事業用資産等に関する相続税または贈与税を納付するための資金

後継者の方が相続若しくは遺贈または贈与により先代経営者から取得した中小企業者の株式、事業用資産等に課される相続税や贈与税を納付するための資金です。

⑤ ①~④の他、中小企業者等の事業活動の継続に特に必要な資金

 

 

  • これから承継を行う、事業を営んでいない個人の方の場合
① 他の中小企業者が有する事業用資産等を取得するために必要な資金

事業を営んでいない個人の方が、他の中小企業者の方から、事業譲渡のかたちで事業を承継する場合には、事業用資産等を取得する必要があります。

② 他の中小企業者(会社のみ)の株式等を取得するために必要な資金

事業を営んでいない個人の方が、会社である他の中小企業者の株式等を取得して事業を承継する場合には、株式等の買取資金が必要となります。
なお、特例が適用されるのは事業を営んでいない個人の方が株式等を取得することにより、他の中小企業者の総株主等議決権数の過半数を超える議決権を有することになる場合のみです。

以上が、事業承継における金融支援「株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例」についての説明です。

都道府県知事の認定を受ける為の要件は

事業承継における金融支援 都道府県知事の認定要件について(会社編)

事業承継における金融支援 都道府県知事の認定要件について(個人事業主編)

事業承継における金融支援 都道府県知事の認定要件について(事業を営んでいない個人編)

にて説明していますので、ご確認ください。