事業承継を行うには、様々な理由により費用がかかります。

後継者の方がその費用を調達する際に活用できるのが、経営承継円滑化法に規定されている金融支援です。

実際に金融支援を受ける為には、都道府県知事の認定が必要になります。

では都道府県知事の認定を受ける為には、どのような書類が必要になるのでしょうか。

ここでは、認定申請をする際に必要となる書類(会社編)既に後継者の方が代表者に就任している会社の場合について説明していきます。

必要書類は、どのような事由でも必要となる「共通書類」に加えて、承継時の状況に応じて様々な書類が必要になります。

共通書類に関しましてはこちらをご確認ください。

「事業承継における金融支援 都道府県知事の認定 必要書類について」

他の中小企業者から事業の経営を承継する会社の場合はこちらをご確認ください。

「事業承継での金融支援 都道府県知事の認定 必要書類(会社編)他の企業から承継する場合」

それでは認定申請をする際に必要となる書類(会社編)について、確認していきましょう。

必要書類は、どのような要件で認定の申請を行うのかによって変わります。

 

既に後継者の方が代表者に就任している会社の場合
事業承継により株式等を取得する場合
1.認定申請日における株主名簿の写し
認定申請日における株主構成が確認できる株主名簿が必要です。
なお株主名簿には、会社の実印を押印することも必要になりますので注意しましょう。
2.①申請者の方が譲受けの申込みをしようとする自己の株式の価格を証する書類、または②申請者の代表者の方が譲受けの申込みをしようとする株式等の価格を証する書類
①は申請者の方が株式の取得をする場合に、②は申請者の代表者の方が株式等の取得をする場合に必要となる書類です。

貸借対照表の純資産額(不良資産等控除後)を使った算定書や、財産評価基本通達に基づく算定書などが該当します。

 

事業用資産等を取得する場合
1.申請者の方が譲受けの申込みをしようとする事業用資産等の登記事項証明書※および事業用資産等の価格を証する書類

※事業用資産等が不動産である場合に必要です。

・事業用資産等の価格を証する書類に関しましては、以下の要件等をご確認ください。
①不動産の場合は、不動産鑑定評価書、固定資産税評価額、路線価等を用いた評価額、前事業年度の計算書類の勘定科目明細書などのその価格が確認できる書類が必要になります。
②動産の場合は、前事業年度の計算書類の勘定科目明細書などその価格が確認できる書類が必要になります。
③貸付金の場合は、金銭消費貸借契約書などのその金額が分かる書類が必要になります。
④未収金の場合は、前事業年度の計算書類の勘定科目明細書などのその金額が分かる書類が必要になります。
2.申請者以外の方が事業用資産等を有していることを証する書類

①不動産の場合は、登記事項証明書が必要になります。
②動産の場合は、申請者又はその代表者との売買契約書などその売主であることが確認できる書類が必要になります。
③貸付金の場合は、金銭消費貸借契約書などその債権者が確認できる書類が必要になります。
④未収金の場合は、計算書類の勘定科目明細書などその債権者が確認できる書類が必要になります。
申請者の代表者の方が株式等や事業用資産等にかかる相続税または、贈与税を納付する場合
申請者の代表者の方が相続、遺贈または贈与により申請者の方の株式等や事業用資産等を取得した場合にかかる、相続税や贈与税が記載されている書類が必要になります。
具体的には、後継者(申請者の代表者)の方が税務署に提出を予定している相続税または贈与税の申告書案などが該当します。
申請者の方の売上高等が減少する可能性がある場合。
売上高等とは中小企業者の売上高または販売数量のことをいいます。
この場合には、既に売上高等の実績額の把握が可能な月の月次の合計残高試算表など、先代経営者の方が死亡または退任した後の 3ヶ月間の売上高等の見込額の推定の根拠となる資料が必要です。
仕入先からの仕入れにかかる取引条件について、申請者の方の不利益となる設定または変更が行われた場合
1.仕入帳や仕入実績を取りまとめた一覧表などの、仕入先からの仕入額及び会社の仕入額の総額について確認できる書類
2.仕入先から会社に宛てた通知や依頼の書面などの、取引条件の設定または変更の内容について確認できる書類
以上2点の準備が必要になります。
取引先金融機関との取引に係る支障が生じた場合
取引先金融機関からの借入れに係る返済方法、その他の借入条件の悪化、借入金額の減少または与信取引※の拒絶等、取引先金融機関との取引に支障が生じたことを証する書類が必要です。
※取引先に信用を供与することで、商品や製品を納品した後、またはサービスを提供した後に代金を受領する取引のこと。
具体的には以下の書類のことをいいます。
1.前年の会計帳簿等の勘定科目明細や、金融機関発行の借入債務の残高証明書などの、取引先金融機関からの借入金額および申請者の借入金額の総額が確認できる書類
2.先代経営者の方の死亡または退任の前後の金銭消費貸借契約書などの、借入条件が悪化したことが確認できる書類
3.先代経営者の方の死亡または退任の前後の残高証明書などの借入残高が減少したことが確認できる書類
4.経緯書などの与信取引の拒絶がされたことが確認できる書類
申請者の代表者の方が遺産の分割によって債務を負担することになった場合、または申請者の代表者の方が遺留分の減殺を受け、価額弁償をする場合
1.申請者の代表者の方が遺産の分割によって債務を負担することになった場合には、債務の金額が確認できる書類が必要になります。
具体的には以下の通りです。
・遺産の分割に係る和解契約書(遺産分割協議書)
・審判書または調停の調書  等
2.申請者の代表者の方が遺留分の減殺を受け、価額弁償をする場合にはその弁償する資金の金額が確認できる書類が必要になります。
具体的には以下の通りです。
・価額弁償を命ずる判決書
・価額弁償をする旨の和解契約書、和解調書や調停調書

以上が認定申請をする際に必要となる書類(会社編)既に代表者となっている場合の説明になります。

この事由により認定を受けた場合には、以下の特例を活用「中小企業信用保険法の特例」を活用することが可能になります。
□申請者の方が会社の場合

中小企業信用保険法の特例

□申請者の方が会社の代表者の場合

中小企業信用保険法の特例および株式会社日本政策金融公庫法等の特例

ご説明したケース以外にも、事業活動の継続に支障が生じていれば都道府県知事から認定を受ける場合があります。

申請の際には、必要書類をしっかり確認しましょう。