事業承継をする上で中小企業庁の補助金を受けるためには、補助を必要とする経費が補助対象経費であることが必要です。
その補助対象経費のひとつである委託費について解説していきます。
委託費とは企業の経費の中で、業務請負契約を結んだ外部の会社や個人事業主の方に、会社業務の一部を委託したときにかかる費用のことをいいます。
なお、ここでの委託とは「業務の遂行が義務であり、結果責任を負わず業務受託者の裁量が許される契約形態」のことを指します。
業務の完遂を義務としている「外注」との違いがここにあります。
外注費に関しましては「事業承継補助金の対象経費 外注費について」のページで解説していますので、良かったらご確認ください。
委託費に対して補助金が交付されるとなれば、自社の負担が減り、事業展開も実施しやすくなりますよね。
しかし、委託費であっても補助金の対象外となってしまう場合があるんです。
以下にまとめましたので確認していきましょう。
□対象となる経費
-
補助事業の遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費(市場調査について調査会社を活用する場合等)
例)経理事務、電話受付業務、Web サイトの運用委託・Web コンサルティング業務など士業や大学博士・教授等以外の専門家の方から補助事業に係るコンサルティングや事業遂行にあたるアドバイスを受ける経費
□対象とならない経費の例
-
販売用商品(有償で貸与するものを含む。)の製造委託及び開発委託に係る全部または一部の費用
-
M&A仲介手数料やデューデリジェンス費用、M&Aコンサルティング費用等
-
契約形態として、業務結果に対する報酬が支払われる内容のもの(「外注費」の整理となります。)
-
経営革新等に係る取組み自体とはならない場合の経理等の事務委託費
-
事業の全部または一部ずつに分けて全部をそのまま外部に委託する経費
<注意事項>
-
委託費は、補助対象経費の事業費合計額(税抜)の2分の1が上限になっています。
-
委託先の選定に当たっては、原則として複数の方から見積りをとることが必須となります。
例外:委託する事業内容の性質上、複数の方から見積りをとることが困難な場合。
例外に該当する場合には選定理由書が必要となりますので注意してください。
-
補助事業期間中に委託契約の締結が必要です。
-
出向者の人件費の負担は出向先であり、出向先が補助対象経費の申請が可能な場合に限り、委託費の対象となります。
-
委託内容、金額等が明記された契約書を締結し、委託する側である補助対象者に利用権等が帰属する必要があります。
-
実績報告書等の成果物も必ず用意してください。
以上が委託費における補助対象となる経費と、対象とならない経費の説明です。
しっかりと補助対象を確認し、計画的に補助金の申請をしましょう。