事業承継の補助金申請をすると補助金事務局による審査が行われます。

審査は「資格要件等及び事業内容等の審査を踏まえ、経営革新等の取組についての専門家審査を経て、審査委員会により総合的に行う」とされていますが、具体的にはどのような審査が行われるでしょうか。

以下にまとめましたので、確認していきましょう。

1. 資格審査(全ての申請)※
主に「補助対象者」に適合しているかを審査されます。
補助対象者につきましては、「事業承継補助金の対象者は?」をご覧ください。
※前段階として必要書類が揃っているかどうかを審査する、形式審査が行われます。
2. 書面審査(1の資格審査を通過した申請)
外部専門家である審査員が事業計画書等の提出された書類をもとに、以下の着眼点に基づいて審査がされます。
(1) 経営革新等に係る取組の独創性技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、またはそれらの提供方法を有する事業を自ら編み出していること。
(2) 経営革新等に係る取組の実現可能性商品・サービスのコンセプト及びその具体化までの手法やプロセスがより明確となっていること。事業実施に必要な人員の確保に目途が立っていること。
販売先等の事業パートナーが明確になっていること。
(3) 経営革新等に係る取組の収益性ターゲットとする顧客や市場が明確で、商品、サービス、またはそれらの提供方法に対するニーズを的確に捉えており、事業全体の収益性の見通しについて、より妥当性と信頼性があること。
(4) 経営革新等に係る取組の継続性予定していた販売先が確保できないなど、計画どおりに進まない場合も事業が継続されるよう対応が考えられていること。
事業実施内容と実施スケジュールが明確になっていること。また、売上・利益計画が妥当性・信頼性があること。

3.審査の際に加点される事項
以下のいずれかの事由に該当する場合は、審査の際に加点されます。
一部を除き、該当することを証明する書類の提出が必要になります。
(1)公正な債権者調整プロセスを経て、以下のいずれかのプロセスの支援基準を満たしたこと
・ 中小企業再生支援協議会又は再生支援全国本部スキーム
・ 事業再生ADR
・ RCC企業再生スキーム
・ 地域経済活性化支援機構の事業再生支援業務
(2)債権放棄等の抜本的な金融支援を含む、以下のいずれかの事業再生計画を策定したこと。
・ 債権放棄
・ 第二会社方式(第二会社方式:過剰債務等により財務状況が悪化している中小企業の収益性のある事業を会社分割や事業譲渡により切り離し、他の事業者(第二会社)に承継させ、また不採算部門は旧会社に残し、特別清算等を行う方式)
・ DES(Debt Equity Swap:既存債務を株式に転換する方式、負債が減少し、自己資本が充実します)
・ DDS(Debt Debt Swap:既存の貸付債権を劣後ローンに変更する方式、長期的に資金計画を安定させることができます)
(3) 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けていること
(4) 交付申請時に有効な期間の経営力向上計画の認定または 有効な期間の経営革新計画の承認を受けていること
(5) 申請者の地域経済への貢献内容
この項目では証する資料の提出ではなく、申請内容が評価されます。
【地域への貢献度合いを測る要素】
・ 地域の雇用の維持、創出などにより地域経済に貢献している。
・ 所在する地域または近隣地域からの仕入(域内仕入)が多い。
・ 地域の強み(技術、特産品、観光、スポーツ等)の活用に取り組んでいる。
・ 所在する市区町村及び近接する市区町村への売上規模、又は所在する市区町村及
び近接する市区町村以外の地域への売上(域外販売)が多い。(インバウンド等による域内需要の増加に伴う売上も含む)
・ 新事業等に挑戦し、地域経済に貢献するプロジェクトにおいて中心的な役割を担っている。
・ その他、当該企業の成長が地域経済に波及効果をもたらし、地域経済の活性化につながる。以上の要素は一例なので、他にも評価される要素はあります。
(6) 交付申請時に地域おこし協力隊として地方公共団体から委嘱を受けており、かつ承継者の方が行う経営革新等に係る取組の実施地が当該地域(市区町村)であること。

 

以上が審査の際に確認される要件になります。
申請内容が評価された結果、補助金の交付が決定した後も油断はできません。

何故なら、交付決定を受けた場合には実際に補助金が交付されるまで、適宜以下の項目について報告をしなければならないからです。

報告事項についても確認していきましょう。

(1) 事業承継完了の報告
交付申請後に事業承継を行った場合は事業承継完了後、事務局に対し報告をしなければなりません。
(2) 認定特定創業支援等事業を受けたことの証明書
認定特定創業支援等事業を受けた証明書を提出する必要がある方は、補助事業が完了するまでに事業を受けていただき、証明書を事務局へ提出しなければなりません。

(3) 補助事業の計画内容や経費の配分変更等
交付決定を受けた後、事業の経費の配分若しくは内容を変更しようとする場合、または事業を廃止しようとする場合等には、事前に事務局の承認を受けることが必要です。
(4) 補助事業の期間の変更
交付決定を受けた後、事業の実施期間を短縮、または延長しようとする場合は、事前に事務局の承認を受けることが必要です。

(5) 遂行状況調査及び報告
補助事業期間中において、事務局は事業の遂行状況を適宜確認することになっています。
その関係で、事務局が指示する日(以下「遂行状況報告日」という)までの遂行状況について、遂行状況報告日から 30 日以内に報告書を事務局へ提出することが必要となります。

以上が補助金交付決定後に行わなければならない、報告になります。

交付を受ける為には、審査の際に確認される要点をしっかりと押さえ、審査員の目を引く申請内容にする必要があります。

当事務所では申請内容の策定及びご相談はもちろんのこと、交付決定後の報告までトータル的にサポートさせていただきます。